柚子胡椒の正真正銘の元祖。柚子胡椒はここから始まりました。
英彦山の自然と歴史
福岡県田川郡に位置する標高1,199メートルの英彦山(ひこさん)は、奈良県の大峰山、山形県の羽黒山と並ぶ日本三大修験道として知られ、自然と歴史が融合した神聖な場所です。英彦山で修行を行う修験者は英彦山山伏(ひこさんやまぶし)と呼ばれ、山の自然の中で瞑想や祈りを捧げ、精神と体を鍛えました。英彦山山伏の歴史は平安時代にまで遡ります。山伏たちは修験道の中で獲得した知恵や力を人々のために活用し、その役割を果たしてきました。
「英彦山」と
「ゆず」と「こしょう」
山伏は病気に対処するための薬の材料として、ゆずとこしょう(唐辛子)を使っていました。山伏の住む宿坊の庭にはゆずが植樹され、「庭にゆずがあること」は「山伏が住んでいること」の象徴だったそうです。「英彦山」「ゆず」「こしょう」の関係は、このように山伏によって紡がれ、「ゆず」と「こしょう」は英彦山周辺で営む人々にとって身近な存在になっていったのです。
「柚乃香」の誕生
柚乃香本舗創業者である林光美は英彦山中腹で、参拝される方(炭鉱関係者)が食事をする食堂「紅葉屋」を営んでいました。光美はお客様に喜んでもらうため、お土産として人気だった羊羹に続く新たな商品を開発していました。そして調味料「柚子胡椒」の完成にたどり着いたのです。保存のため塩漬けにした「ゆず」と「こしょう」を使った柚子胡椒。これが英彦山だからこそ誕生した新たな調味料「柚乃香」(ゆずのかおり)でした。
英彦山から日本全国へ
昭和25年に創業した柚乃香本舗は、現在まで柚子胡椒「柚乃香」を日本中にお届けし、食卓だけでなく、多くの飲食店でわさびや生姜と並ぶ薬味としてお使い頂いています。また、60年以上前、明治神宮例大祭にて全国特産物奉献式献納感謝状を頂いたこともあり、それ以降、毎年、明治神宮へご奉納させて頂いております。
南極大陸に渡った柚乃香
昭和33年代、創業者の光美のもとに文部省の南極観測隊から手紙が届きました。その手紙には「前略〜御社 柚乃香 大変結好な品で是非共御寄贈たまわりたくお願い申し上げます」と書かれていたのです。このことがきっかけとなり「柚乃香」は、南極観測隊の食糧支援として、南極大陸に渡りました。第三次南極観測隊は、映画にもなり、伝えられ続けるタロジロのお話で有名です。
元祖の「香り」を未来につないでいく
創業者である光美から「製法」と「想い」を受け継ぎ、「柚乃香」は現在まで多くのお客様の食卓に元祖ゆずごしょうの「香り」を届けています。
また、柚乃香本舗四代目の林久秀は、母方の祖先に山伏がいる、英彦山山伏の子孫です。
山伏が紡いだ「英彦山」「ゆず」「こしょう」によって誕生した柚胡椒「柚乃香」の不思議な縁。
柚乃香本舗は、この英彦山の地で、元祖ゆずごしょうの「製法」と「想い」を守りながら、これからも食卓に元祖柚胡椒をお届けし、歴史が紡いでくれた元祖の「香り」を未来につないでいきます。